6月2日金曜日

デパートや駅ビルの入り口に最近まであった、もしかして顔認証されているかと言われている検温システムのカメラがようやくなくなった。飲食店のアクリル板もいつまでつけているのかと思っていたが、ほぼなくなってきた。簡単に動かせないようにとテーブルに固定された土台部分だけが残っている。

台風2号は関東を直撃はせずに済んだが、今日は一日中雨。

駅ビルの出口で出るのを躊躇していると、ツバメが店名の電気カバーの上でじっとしていた。その横に巣があり、親が卵を温めているのか、尻尾だけが見えた。じっとしているツバメは今どしゃ降りの外からコンコースの中に入ってきて、濡れた羽を膨らましているように見えた。もしかしたら、まだ巣立って間もないのかもしれない。

駅のツバメの巣も多いときで3つくらい出来ていたが、今年は一つだけだ。カラスは常に狙っているし、最近は人間も巣を落とす人が多いから、どうしても減っているように思う。

それでもツバメが巣を作っているところは、みんながエスカレーターを上がってくる、まさにその頭上で、背の高い人が傘でつっつけば届くかもしれない高さだ。もっと高い部分はいくらでもあるのにわざわざ人間の通り道のそのすぐ頭上に巣を作り、子育てするのは人間に対しての信頼感からなのだろう。それに対して、人間はどれくらい応えられているだろうか。

 

『朝のあかり 石垣りんエッセイ集』を読み始めたところだが、1967年初出になっている日記というタイトルの中で、丸の内のうつりかわりについて、ビルディングというものがどれも半永久的かと思っていたら、海上ビル旧館が耐震理論確立前の設計であるため、四十年で老朽化してしまったため、先日取り壊し始めたとの言及がある。

ちょうど先日、NHKの「解体キングダム」という番組で日本で初の超高層ビルの解体に挑戦というのをやっていたが、解体するのにどれくらいの金額がかかっているかと考えると、これから人口も減ると言われて次にもっと高いものを立てれば収支は合うという考え方がすでに破綻しているはずなのに、おかしいと思う。この世界貿易センタービルが建てられたのは1967年着工、1970年竣工という。一世代経ってビルの寿命はせいぜい10年しか伸びていないことになる。

そして半世紀以上も前に書かれた文章なのに、何故か今と変わらない社会にびっくりしてしまう。

高速道路がいつか無料になるといいながら、どんどん先延ばしして、しかも値上がりしているのだから、会社だったら完全に詐欺状態じゃないだろうか。いつか補修する資金もなくなって、崩れていく日が百年後に来ないと言えるのだろうか。なんでも先送りにすればいいというものでもないだろう。

 

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger... }