まだお向かいの家の屋根にはうっすらと雪が残っている。初雪の観測は54年ぶりという。
NHKで23日の夜に絵本作家の甲斐信枝さんという方のドキュメンタリーを見た。
私は知らなかったのだが、『雑草の暮らしー空き地の5年間』『のげしとおひさま』など観察や科学に基づく「科学絵本」を描いている方で85歳の今も京都嵯峨野の野山で何時間も足元の植物をじっと観察してスケッチする。絵本でのげしの種が風に舞う時に草と草の僅かな空間を渦巻くように周り中が四方へ飛んでいく様子が描かれている。それを実際にスローカメラで写してみると本当にその様子が見ることができた。一瞬の様子をひたすら観察することで細かい種の一つ一つもちゃんと描き込んでいることに驚かされた。
番組の中で甲斐さんが草が教えてくれたことについて
「細かなことにガタガタ言うな
安住せよ
ちゃんと時間が解決する」
というふうなことを仰っていた。
この言葉を聞いた瞬間、私は自分の問題に対する答えがわかった気がして、そうなんだ!と感動したのだが、もう言葉では何が解決したのか言い表せない。
ただ「安住せよ」と言われた時に私にその言葉が向けられたように思えた。草が生きるように、私も生きろと。それが答えだと。
どんな風に生きるのかは私も草から教えてもらわなければならないのだろう。