秋になると東京文化財ウィークという事業が毎年行われている。パンフレットは手に入れてチェックをしていたものの、日にちがどんどん過ぎていってしまったのだが、先週新聞で明治学院インブリー館(重要文化財)とウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計の礼拝堂と記念館(この2つは港区の文化財)が合わせて一般公開とあり、2日に行ってきた。
白金台高輪という駅から歩く。大学の学園祭で若い人たちに混ざって入って行った。
入り口を入ってすぐに明治学院礼拝堂があった。
建物の後ろ側。
チャペルの中は人はまばらだったが、上からパイプオルガンが鳴っていた。
頂いた礼拝堂のパンフレットによると、もともとは1903(明治36)年にリヒャルト・ゼール設計による石造りでゴシック風の壮麗なミラー記念礼拝堂が建てられたが、1905年と1909年の2度の地震で大破してしまう。その後、ヴォーリズの設計により、破損したミラー礼拝堂の資材を基礎に再利用して壁にレンガを積み屋根を木造シザース・トラスで支えたチャペルが1916年に完成した。2009年に復元修復と新パイプオルガンが設置された。なんでもバッハのオルガン全作品を演奏可能な規模とのこと。去年でちょうど100年。なんだかありがたくて何度も出たり入ったり。なぜヴォーリズが設計することになったのかというつながりについてはいろいろパンフレットを見ても見つからなかった。
向かい側には明治学院記念館がある。
小チャペルや事務室、会議室を備えている。1890(明治23)年、明治学院の教員であったH.M.ランディス教授によって設計されたと言われている。
一階はチャペルと歴史資料館があり、2階にはメーソン&ハムリン社製リードオルガンがあり、午前中に着いた時にオルガンコンサートの整理券をもらった。1回目はすでに整理券はなく、2回目の分をもらえたので、まだ1時間半あったが待つことに。
リードオルガンは昔は小学校などでも使われていたそうだが、同じ様式で現在でも演奏可能なものはもう他にはないとのこと。修理することも難しく、リードが切れると音が出なくなってしまうので、こうして聴くことも次の機会があるかどうかもわからないということだった。30分間のコンサートでその音色を聴くことができて、またしみじみありがたい気持ちになった。
建物の横に植えられているのは「アンネのバラ」。
記念館の後ろ側に明治学院インブリー館。
1889(明治22)年頃の木造2階建で設計者は不詳。明治学院が明治20年に横浜から白金へ移り、宣教師のための住宅として建てられた。
宣教師館として、また西洋風住宅の先駆けとして国の重要文化財に指定された。
インブリー館から記念館を見たところ。
横には本館。こちらから先は文化祭の若者達が色々な食べ物を売っていたり、催し物をやっているようだったが、ウロウロ行ったり来たりして明治学院大学国際平和研究所の沖縄の写真展と文芸喫茶に入って、学生の入れてくれるほとんど苦くない、ほろ苦コーヒーを飲んだ。
おまけ。
帰り道、白金高輪の駅へ向かうが、手前で坂道を見つけてなんとなく登り、
細い小径を見つけてなんとなく入り、
また曲がったところで、巨樹を見つけた!
旧細川邸のシイの木。写真では全体が撮れず、分かりにくいが真ん中には古い幹があり、上で切られていて、周りを囲むように若い木がまた育ってこのような太い幹に見えているようだ。何れにしてもかなり古い樹齢のようだ。
文化財ウイークは続く。