新しい命は生まれ

先週、ベランダにヒヨドリの雛が来た。夕方の5時ごろ賑やかな声がするので見たら、3羽の雛を親鳥が連れてきたようだった。

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(網戸越しでピンボケ写真ですみません)まだやっと飛び始めたばかりのようで、向かいの屋根に移って、また戻ってきて10分くらいじっとしていた。少し離れて端っこにあと2羽いて、しばらくするとどこかに飛んで行った。

まだそんなに距離が飛べるようにも思えなかったが、どこに巣を作っているのだろうか。近くにはあまり木もないのでこんなに幼い雛がきたのは意外な気がした。

 さて駐車場のツバメの方はどうかと、昨日下を通ったらかすかに啼き声が聞こえたように思えたが、親鳥の姿は見えなかった。しばらくすると、戻ってきて覗き込むようにしているが、巣の様子は下からはわからない。今朝、再び見た時、親鳥が飛んできて覗き込むようにすると、頼りなげなケムンパスみたいな黒い毛の生えた小さな頭が2つ見えた。小さくて儚くて、まだ声もほとんど聞こえない。

 

と書いてすでに三日くらい経っているだろうか。今は雛は3羽。声もだいぶ賑やかになってきたようだ。

 

ブックオフにて見つけた本を一気に読んだ。

 作者の父親の作家の丹羽文雄さんは、80歳を過ぎてアルツハイマー型痴呆を発症し、母親はパーキンソン病動脈硬化でまだらボケになり、両親を介護することに。

父・丹羽文雄 介護の日々 (中公文庫)

父・丹羽文雄 介護の日々 (中公文庫)

 

 夫婦で介護が必要になった時、どうすればいいか。この夫婦の状況が今自分の直面している問題とそっくりで他人事とは思えない。今は介護保険があると言っても実際にうまくいくことより、うまくいかないことばかりだ。本にあるようにケア付きの老人ホームに入ることや住み込みのお手伝いさんと昼間のお手伝いさんと2人についてもらうということも、現実に難しいだろうし、年老いていく本人以上に周りの人たちが限界を感じている。

作者が自分自身のことについて、若い頃からの夢で60歳を超えたら一年の3分の1は夫婦で外国で暮らそうと、小さな夢を持っていたと書いている。ところが、60歳は超えたものの、両親の介護はいつ終わるものかわかるものではなく、将来の計画は立ちそうにないとある。しかし、気持ちの踏ん切りをつけたら、思い悩まないで前向きに介護にあたろうと書いている。

ネットで作者の本田桂子さんを検索したら、この本が出た後、お父さんを残して65歳で急死したという。晩年のお父さんは娘のこともわからなくなったが、100歳まで生きたそうだ。

私は本田桂子さんがさぞ無念だっただろうとは思わない。するべきことはして、あっさりとこの世界から旅立って行っただけだと思う。

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