「明日は立春です」という朝のニュースのアナウンサーの服装も今日は春めいて見える。おととい信用金庫へ行った時にATMの横に置いてあった広報誌の切り抜きを片手に、久しぶりに多摩歩きに出かけた。
切り抜いておいたのは永山駅・多摩センター駅界隈の案内地図。モノレールで終点の多摩センター駅まで行った。
デッキを歩くと小田急線と京王線の多摩センター駅とつながっている。ロータリーの鉄塔のサビ具合とバス乗り場の屋根とを見るとまわりに大きな建物が立ち並ぶ一方で老朽化が進んできている。
駅から左へ向かうサンリオピューロランドまでは街並みもテーマパークのようでここだけは人口密度が高い。後は人の気配がグッと少なくなる。この写真の正面右の高いビルはベネッセだ。うちの下の子もしまじろうの人形をいつも持ち歩いてたっけ。情報漏えいの時、図書券を2枚もらった。
駅前の大通りをまっすぐ来ると突き当りがパルテノン多摩だ。29年目となり施設の老朽化により大規模改修が必要になり、多額の費用がかかると問題になっている。立派な施設や標識などもその後維持していくのは大変なことなのだ。
正面階段を上がるとその先は池と公園が広がっている。建物の屋上からつながっているので不思議な構造だ。そして人と自転車の専用道路がずっと続いていて、自動車の道路を通らないでも街のあらゆるところに行かれるという。専用道路は歩道橋で車道とは立体交差になっている。車道と平行ならまだ方向感覚が保てるが、歩く道はカーブして緑地や団地の中を通っていくのですぐ迷子になってしまう。しかもその道はどこまでも広かったりするし、団地の番号も5−4−3、隣は5−4−2、とかいつも迷子になるのを楽しんでいるのだが、ちょっと不安になってきた。
どんぐり山。
真正面に富士山が見えている。ただ、手前の山の上から頭がわずかに覗いているだけなのが多少残念だが。この広いスペースも公園と歩道の中間なのだろうか。
突き当たりから歩道橋でまだ先が続いているが、下に降りて車道に沿った歩道を歩いた。
下の道も静かだ。途中、小学校や中学校の横も通ったが12時半頃はお昼なのかどこも静か。うちのそばでは常にビルの工事の音やヘリコプターなど騒音ばかりなのに、ここでは聞こえてくるのは鳥のさえずりくらい。人口密度が低いのだろう。公園の中に集合住宅がゆったりと並ぶようで、20年前の私だったら夢と希望の新しい街に映っただろう。
しかし、自然が周りにあふれている様で、この緑のスペースが実は切り開かれて新しく造られた人工的な感じがして、まるで自分が現代アートの作品の中に入り込んでいる様な気がした。
豊ヶ丘南公園。
八角堂。ハード系の美味しいパン屋さんが入っていて、中でパンとコーヒーを頂いた。歩いていたら暖かかったせいで汗ばむくらいだった。ここからまた戻った。
枝の先に月。
そして案内の地図にあって一番見たかった、平久保(ビリクボ)公園のシイ。東京都の天然記念物のスダジイで島しょ以外でもっとも樹高が高い木だそうだ。2本が一体のようになっている。
樹齢は500〜600年だそう。写真では大きさが感じられないが、近くで見ると圧倒的な迫力があった。
しかし、この公園はこの木が中心にあるだけだ。周りがすっかり開発されて残された一画のように見える。それはこの巨木にとってはほんの一瞬のことなのかもしれない。