昔、『VIP』という名前のチョコレートが流行った。今でもその名前で売っているかもしれないが、板チョコがいきなり高級になったというイメージだった。今のように生チョコとか、トリュフとかはあまり一般的ではなかったのではないかと思う。(いや、単に私がそういうものを知らないだけかもしれないが。)
で、職場の同僚などと話をしていて、何人かの女性が、「あれは美味しくて、一枚食べちゃうのよね」。「そうそう」。と言うのを聞いて衝撃を受けた。
板チョコを一枚、まるまる食べる・・・
まず、自分の子供時代には考えられなかった事だ。(あくまでも私の場合ですが)
小学生くらいの頃の思い出で、プレゼントにクリスマスの絵がレリーフになった板チョコを頂いた記憶がある。あまりの嬉しさともったいなさで、ちょっとづつ砕いて3ヶ月位かかって食べたような。
しかし、もう大人なんだから、板チョコの一枚位まるまる食べてみせると、とそのVIP チョコを買ってきて、家で食べてみた。
結果は、食べられなかった。
美味しい事は分かるが、残念なことに子供の頃から甘いものを少ししか食べられない性格で(まんじゅう怖いを地でいくタイプ)三分の一も食べないうちに身体が拒否してしまうのだ。と言う訳で、板チョコ一枚まるまる食べられるという人をただ尊敬してしまう。
一口分づつ、時間をかけてしか食べられないのだった。
今の時代、日本では高級チョコレートが手軽に買えるようになり、世界で有名なパティシエのチョコやら、かなりの高級な貴重なチョコレートがますます流行っている。
そんな世界に自分は住んでいる。
でも、チョコレートは何処でどうやって、どういう人達によって作られているの?
本当の事は知らないで、日本では高級なチョコレートを喜んで食べていて、カカオを作っている場所からはずっと遠くて、つながることはないままなのだろうか?
- 作者: キャロル・オフ,北村陽子
- 出版社/メーカー: 英治出版
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『BITTER CHOCOLATE
Investigateing the Dark Side ofthe World's Seductive Sweet』
これから、チョコレートを口にする度に意識する。その世界の離れた所にある現実を。今の所は答えはなくて、絶望的な不公正が未だに続いているという事を。