地上49階から見えるもの

夏だ!テレビでは熱中症に注意と呼びかけていた。家中のマットを洗って干して、今までためていた空気清浄機のフィルターやらそこここの掃除をしたら、ちょっとすっきりした。南向きのリビングはカーテンを半分占めているが、気温は32度。窓を開け放すと今日は強めの風が吹いているので、ノースリーブの綿と麻のワンピース(ズボンより涼しい!)でパソコンをつける。

気象庁が梅雨明け宣言をしそこなったから、まだ梅雨なのに猛暑とニュースで言っていた。あと一回雨が降るのを待って、急いで梅雨明け宣言をするのだろう。

今月の初めに渋谷駅工事のことを少し書いた。そのあとテレビのカンブリア宮殿東急電鉄の社長が出ていて、売上高一兆円を超える東急電鉄の新戦略と街づくりを紹介していた。そして後半に渋谷の再開発の話題となり、地上49階高さ230メートルの屋上展望施設の完成予想図が映された。それと同時に予算が何百億だかの説明もあったが、数字は忘れてしまった。

しかし、事業規模は今話題の新国立競技場と同程度にはかかるくらいの開発計画だろう。国の税金は目の敵にされるが、一企業の事業なら、誰も何も言わないだろうか。

その完成予想図(東急電鉄のホームページにもでている)も、2011年に寛平さんがチャリティーの番組で出演した時にテレビで初めてみた、新しい国立競技場の完成予想図も同じくらいの恐ろしさを感じた。

今朝の新聞の投書の意見には私と変わらない年代の女性から、オリンピック時に観光スポットとなるだろう新しい街づくりへの期待の言葉があった。

リニアにしろ、超高層ビルにしろ、オリンピックにしろ、期待して待つという声は多い。できるまでは期待して楽しいようだ。でも一度展望施設を見学して、何回か買い物して、その後人口が確実に減っていく中で、それがこの先何十年と続くのだろうか。その後の世界を考えるとどうにも寒気がしてくる(いや暑いけど)。

今『もののはずみ』(堀江敏幸)という本を読んでいる。堀江さんは以前はよく見かけたけれど、最近はすっかりすがたを消してしまった、「ほんのちょっとむかしの」製品に関心があり、そうした好みの、主としてフランスで出会った「もの」たちについて語っている本である。

フランスで出会うそういうほんの少し昔の品々というのがとてもいい。おもちゃや雑貨は集めている人も多いのかもしれないが、こういうものを取っておく?あるいは買う人がいると思うようなものを売っているのが面白い。

活版印刷の活字を入れていた引き出しというのは東京の骨董屋でも高く売られているというが、バスの「次とまります」のランプや、既製服に縫い付ける会社名の入ったネームタグの巻物とか、M・T氏の1959年の手帳というのもある。日付の下には女性の名前が次々と書き込まれている。フランスに住んでたら、私の手帳も捨てられなかったら、50年後に売られていたりするのかしらん・・

しかし女性の名前が次々でてくるから楽しいのかもしれない。今日の私の手帳は東急電鉄社長 野本弘文って書かれてる。

 

 

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