“五感のなかで嗅覚ほど官能的なものはない”
本を読んでいてそのフレーズがあり、その先を読みながら頭の中には全く別のストーリーがあった。
香りのいろいろ
今はテレビの広告でも柔軟剤とか香りの強い物が流行っていて、実際街の中ですれ違う香りというのはその手のものが多い。
でも、私は嫌いだ。
あの香り、その人が部屋に入っただけで、出て行って3時間位しても、「来たでしょ」とわかってしまうくらい強烈だ。それに、どこか化学的合成的な香りなのだ。私の中では渦巻きが喉の奥でぐるぐるしてくる。
そういう香りが流行っているせいか、香水のような香りにすれ違うことは少なくなった気がする。
小学生の頃、保護者会があった時、校舎に入って、廊下に顔を出した段階で強烈な匂いが見えない壁となって立ちはだかってそこから1歩も進めなかった。
そんな風であまり香りをつける方ではないが、いくつかのコロンとかは持っている。
ただし、ほとんどつけないが。
そしてたった一つ、香水も持っている。
その昔、ananで写真が載っていて、インク瓶を大きくした様なシンプルな瓶の香水であったが、どうしてもそれが欲しかった。ブランドは日本にあったのだが、日本では販売されていなかった。その後、アメリカに行った人に頼んで買ってきた貰った。いくつかのお店を回って見つけてきてくれた。
その香水をつけていた期間、ある意味で別の人生のような期間があった。
瓶の中のほとんどはそのまま残っているが二度と蓋は開けないかもしれない。
香り自体ももう古くなってすっかり、変わってしまっているだろう。
しかし、その香りを思い出す時、映画のようにいろんなシーンが駆け巡る。