季節の変わり目に

月曜日頃から咳が出始めていたのだが、風邪の症状まではいかなくて喉も痛いわけではなかった。夜も早く寝たのに、だんだん収まらなくなって、ついに水曜日になったら、くしゃみまで出ていよいよ風邪のような症状になってしまった。そして、咳とくしゃみでまた去年の暮れになったようなぎっくり腰に近い症状まで出てきてしまった。

熱はなかったが、背中が張ってくると体がくの字に曲がってきて立っていることも辛くなってくるので、木曜日に我慢しきれずに病院に行ってきた。

受付で症状を話して、見てもらいたいのは内科だけど、整形外科で去年かかった時にもらった薬を出してもらえないかと聞いた。しかし、もう半年以上経っているので、両方の科で診てもらわなければダメだった。

最初に整形外科にと言われて、行くと、年齢もあるから、咳でも肋骨とか骨折することがありますからと、レントゲンを撮った。骨は異常なかったので、去年のぎっくり腰と同じような状況だからと、去年とそっくり同じ薬が処方された。大きな湿布と痛み止めと、胃薬と体のつっぱり、こわばりを取る薬だった。

そして内科に回ると、内診の後、今度は肺のレントゲンを撮ることになり、またまた放射線室へ行く。

肺のレントゲンも異常はなかったと言われたが、痰も少し出るというと、抗生物質と咳止めの処方をもらった。熱は出ていないから、もしかしたらアレルギーかもしれませんと言われた。一週間しても咳が止まらないなら、アレルギーの検査をしましょうとのことだった。

先日の朝のテレビで家のカビが原因で家にいる時間の多い主婦にこの時期に肺炎が多いというようなことも言っていた。そういえば先週買ったカンパーニュが三日で袋の口は閉じてあったがカビだらけになっていて、不安がよぎる。

さて、薬の効果は抜群で(痛み止めと湿布は使わなかった)咳もピタッと止まり、背中もまだ張っているが曲がらないで立っていられる位になっている。ただ胸のあたりは息を吸うとゴーッという感じがしている。本当は薬を飲まなくてももう直ぐ良くなるはずだ、我慢しようと思うのだが、辛い時にはどうしても薬に頼ってしまう。しかし渡された大量の湿布薬や痛み止めを見ると本当にそれだけ必要かとそれも疑問がよぎるが欲しい薬だけくださいというのは医者の機嫌を損なうだけなので、なかなか言えない。

私が中学生の頃、冬中風邪の症状で、鼻水が黄色くなると、もう治るサインだと信じていたのだが、今ではそれを確認すると医者は必ず抗生物質を出す。その頃は病院にかからなくてもそれ以上悪くなることもなかったのでそんなものだと思っていたのだが、今は違うようだ。痰や鼻水というのが抗生物質を出すサインになっているようだ。

とりあえず、カビ対策をしなくちゃと空気清浄機のフィルターを買い換えるために電気屋さんへ行って、ブックオフに寄り道した時に店内に音楽が流れてきた。

最初の声がとても気になったので、思わず耳を澄ませていた。そのうちに一度聞いたことのある曲だとわかった。すごくいい歌だと思った。そのフレーズがまた今の私にぴったりだったのだ。

息を吸う 息を吐く 

ただそれだけのことで

どうしてこんなに苦しいのだろう  

菅田将暉の『呼吸』という歌だった。そう息を吸おうとしてもあまり吸い込めないし、無理に吸おうとすると咳が出て背中に響く。帰ってかYouTubeのショートバージョンを見て歌ってみたら、単純なものでちょっとは元気になった。これだけのことで薬より効果はあるのかもしれない。

一番の歌詞を「見上げた空の向こう 太陽は今日もまたフレアを出している」とつい替え歌にして歌っている。

一度だけでなく続けて出しているみたいで今まさに私の体を通過しているのでしょうか。

 

 

西武園駅から東村山駅まで一駅散歩

立川の駅ビルの一角に東京都の観光情報センター多摩というのが先日オープンして、たまたま通りかかったら本棚に各自治体が作っている地図が並んでいて、幾つかもらってきた。今は各市でお散歩マップのようなものを作っているので見ているだけでも楽しい。昨日はその中の一つ、「ココミテ東村山」の地図を参考にして、西武西武園線西武園駅から東村山駅までを歩いた。

降りると徒歩2分で都立八国山緑地がある。

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尾根道の左は埼玉県所沢市。しばらく歩いてまた広場の方に降りて行った。

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西武線の踏切を渡って振り向いたところ。

向かい側に八国山たいけんの里と言う建物があり、開館していたのでそちらの展示を見て、再び線路沿いに行くと北山公園。初夏には10万本の花菖蒲が咲くとある。今は子供達が網で何かを捕まえて遊んでいた。

公園を抜けると住宅街を歩いて途中の矢印を見つけて進むと弁天池公園がある。

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出世弁財天女宮と橋の手前に石碑があった。

写真ではお社の後ろ側に大きな木がこんもりをしているのが写っているがこちらの方からは道がなかったので公園を出てからぐるっと回って行った。大善院という案内の矢印があり進んでいくと、天台宗のお寺があった。本堂の正面には左右に富士山の溶岩でできた山があり、左手の溶岩の山には不動明王と眷属の36童子が配されていて壮観な境内にびっくりした。

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お寺の横の細い道を歩いていくと、先ほどの写真で見えた高木の生えている市の保護緑地があり、もう一度弁天池公園の前を通って東村山駅に向かう。途中、地図に載っていた猿田彦神社を通る。明治28年に東村山停車場の開業を祝って、元々の辻の庚申さまを御神体として、道の神猿田彦大神を鎮守として創建されたとのことで、祭日は東村山駅の開業日と川越鉄道の開通日になっている。

すぐに駅に着いたので、散歩は終わり。東村山はうどんとお団子がとても美味しいのだが、今回はなし。本当に美味しいのだが、今回はなかった・・(いや、自分が残念なだけ)

 

 

今度は黒山三滝を見た

先週の土曜日、おばあちゃんを乗せて車で義姉の家まで行き、おばあちゃんがお茶を飲んでいる間に、飯能の少し先の越生町にある黒山三滝を見に行ってきた。

ハイキングコースになっているようだが、近くの駐車場に止めてそこから15分の散策だった。

 

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天狗滝の落差は14メートル。太陽の光が差し込んで水煙がカーテンのようで神秘的な雰囲気だ。足元も水が流れているので慎重に歩く。

 

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天狗滝からさらに少し上がると男滝と女滝がある。

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右上が男滝、落差11メートル。下が女滝で落差は5メートル。

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修験道の修行の地なので、厳粛な気分になる。

途中にお土産屋さんがあり、一里飴を買う。お土産て頂いたりして名前はよく知っているけれど、会社が越生町にあるのは車で途中で通って初めて知った。

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途中は青空も覗いていたのに、夕方になったら土砂降りとなった。世田谷では多摩川の花火大会に来た人が落雷の被害にあい、雹も降ったという。

8月は水の話題が多い。

昨日のニュースで海水浴客がクラゲの被害が多かったと言っていた。私が子供の頃はお盆を過ぎたらクラゲが出るから、また波が荒くなるから海は危ないと言っていたものだけど、今はそう言うと海水浴場の売り上げが落ちて経済的損失の方が大きいと判断されるのだろうか。

 

 

ダムから蛇口まで

8月に入ってから毎日雨が続いているという。1日のうちわずかに青い空が見える日もあったが、最近は気温も低く朝から雨の日が続いている。関東の水不足もすっかり解消されてダムの貯水率も満水に近くなっているところがほとんどになったようだ。

ダムから流れた水は結局のところ家の水道の蛇口から出てくる。遠いダムの話をしても、実は自分の家とつながっている。そのことについて考えている。そして自分のためのメモでもある。

二ヶ月くらい前に駅のコンコースで東京都の水道のフェアのような催しをやっていて、クイズに答えるとグッズがもらえるというようなコーナーで私もやってみた。その中で、2種類の水を飲んでどちらが水道水でどちらが市販のミネラルウォーターか当てるというのがあった。水の味・・私にわかるかしらとちょっと不安だったが、両方とも適度に冷たかったが、片方は塩素の味がかすかにした。冷たくてもわかるということは常温だと美味しくないと感じるのではないだろうか。普段家で飲んでいる立川の水はそこまではっきりわからないと思うが、23区内で汲んできた水だろうか。

私が育ったのは杉並区だが、夏場になると水が温かくなっていくら出しても冷たくならない。その頃龍泉洞の水を買ってそれでご飯を炊いたら明らかに味が違っていて、水の味の違いを感じてしまうと、浄水器も使わないでそのままの水を飲むことには抵抗があった。

それが結婚して立川に来たら、夏でも水を少し使っているとすぐ冷たくなって、多摩川が近いから多摩川の水のせいかと思っていた。多摩川は川の水が秋川などに比べるとダムの下の水を流しているから冷たいのだと聞いて、川の水が冷たいからそこから水道もつながっていると思っていたのだ。

 

さて、多摩信用金庫の広報誌をたまたまもらってきて、8月号を見ていたら、「そうだったのか多摩」という記事に多摩地域の水道のことが載っていた。記事にはなんと多摩地域の水道は多摩川の水が昔は使えなかったとある。以前は羽村取水堰の取水権が旧東京市に属していて、玉川上水を経由して23区に供給されていた。

青梅市が水道事業を始めたのが1928年、八王子市が翌29年。それ以外の自治体は戦後になってからで、それまで人口も少なく地下水に頼っていた。

60年代以降に人口が急増したために多摩川の利用を求める声が高まるが、東京都水道局は利根川の水を水路で荒川と結び、朝霞浄水場に導く計画を進め利根川水系の水を多摩地区にも供給する方針を打ち出す。

今は多摩川の水を東村山、小作、境などの浄水場で処理するとともに、利根川・荒川の水も朝霞浄水場と連絡菅で結ばれた東村山浄水場で処理されてその割合は4〜5割に上るという。多摩川水系は3〜4割で残りが地下水だという。

すると、昔夏に水が冷たいと感じたのは地下水の割合が高かったためのようだ。

最近は以前のようにあまり冷たくなる感じがしない。それは水の割合が変わってきているということなのだろうか。

都全体では利根川荒川水系が8割で多摩川水系が2割だという。その割合からすると、まだ多摩川水系の水が多いのだろうが、実際想像していたよりはるかに私の飲んでいる水道の割合は利根川荒川水系の水の割合が高いのを初めて知った。

多摩地区でもかなり分かれているので東京都水道局のホームページを見るとより自分の住んで居る場所の水がどこの水系かわかる。

www.waterworks.metro.tokyo.jp

 

また記事の続きに戻ると、71年に「多摩地区水道事業の都営一元化基本計画」を策定し、2012年までに26市町村の水道が都営水道に統合された。

統合されていない武蔵野市昭島市羽村市の3市と檜原村は独自の水道を運営している。武蔵野市は8割を深井戸でまかない2割の都水道の供給を受けているが、昭島市羽村市は自前の地下水で運営しているという。

立川市はいつの間にか都の水道局に統合されていたわけで、蛇口から出る水は今日からどこの管轄です、今日の水はどこどこ水系です、などと言わないけれど、いつの間にか変わっていることも多いのだ。

今年の3月には「水道法の一部を改正する法律案」が閣議決定されていて、赤字が多い市町村の水道事業の統合、広域化を促進、将来的に民営化も視野に入れているという。

本当に安心、安全を求めなくてはいけないことは民営化に移行することはとても危険なことだと思っている。

塩川の滝

8月になってから、というか梅雨が明けてからというべきか、あまり夏らしい空を見た記憶がない。見上げるといつもどんよりとしている気がする。来週は世間ではもうお盆休みの頃。夏休みで出かける人も多いことだろう。

おばあちゃんもデイサービスに行くのをあんなに楽しみにしていたのに、うちに帰ると暑いせいか、もう夏休みだからお休みになったはず・・もう行きたくないと訴えるのだが、「学校だって夏休みはないんですよ」と間違った理屈で今日も促す。うちには夏休みはない!・・と言いつつ先週の土曜に時間ができて、せっかくだからどこかへ出かけようと主人と2人、滝を見に行ってきた。

うだうだしているとすぐ時間が経ってしまう。ネットで滝と入れて、出てきた塩川の滝へ行くことに。ところが車のナビに名前を入れても出てこない。住所を入れようとしても、ナビの住所名と違っていて設定できなかった。ネットに出ていたのは愛川町の観光のページで近くに宮ヶ瀬湖があるのでそちらで設定して出かけた。

そのページで見ると、町の食べるところという紹介にあるのが、すごーく普通のお蕎麦やさんか食堂かパン屋さんが4件で買うというお店の紹介でセブンイレブンサークルKと個人のお肉屋さんなどが紹介されているので、行く前に何か食べてから行こうと話していたのに、結局愛川町までついてしまった。

役場の駐車場に車を入れて道路を渡った側に町内の地図の看板があったので見てみるが、食べ物の案内も中華屋という表示が一軒あるだけで肝心の滝もよくわからなかった。もうお昼を過ぎたので食べられるお店に行きたいからとそのまま少し行くとホームページには紹介されていなかったお蕎麦やさんがあり、そこで美味しいお蕎麦を頂いてから宮ヶ瀬湖へ向かった。

途中の車の中でスマホで検索しながら行くと、塩川神社に車が止められるというのを見つけたのだが、その神社がまたナビで探してもわからない。小学校の名前があったのでそちらを目指して行き、ようやく看板を見つけた。

そこから車がすれ違うのも大変そうな細い道を上がっていくと塩川神社に着いた。

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ほとんど映っていないが、正面の小さいお社が塩川神社で、左に少し行くと塩川の滝だった。

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斜面にはイワタバコの花が少し見える。イワタバコを保護するように看板もあった。

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その後、近くの服部牧場へ。

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 売店でジェラートとソーセージを食べて宮ヶ瀬湖へ向かった。

宮ヶ瀬ダムの方と水とエネルギー館との方角に分かれていて、水とエネルギー館を目指してみたものの、駐車場が満車ということで入れず、そのまま湖の周囲を走っていくと愛川町から清川村へ入り、そちらの水の郷商店街の方へ。

宮ヶ瀬湖は完成したのが2000年ということなので、今回来てみて初めて知った。高原の別荘地的な雰囲気もあり、遊覧船や子供が遊んだり体験したりする施設もたくさんあり、ダムはNIKKEIプラス1でダムランキング1位に選ばれたとあった。立川からだと、高速道路などを使わなくても1時間強で着く。近いのに夏休みに避暑地に来た気分になれた。

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しかし、貯水率はダムが完成して以来の少なさで半分くらいだという。遊覧船も中止だった。ただ神奈川県は他にも3つダムを持っていて、その上でこのダムを作ったそうで、さらにこの宮ヶ瀬湖だけで他の3つの貯水量を上回っているとのことで、取水制限などは行っていないらしい。

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昨日の台風も水不足の関東地方にとっては恵みの雨だったのだが、水害の被害を考えると塩川の滝の龍神様にも、どうか人間の傲慢に対する怒りを鎮めてくださるようにと祈るばかり。

藤原新也写真展「沖ノ島 神宿る海の正倉院」

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日本橋高島屋で『沖ノ島ー神宿る海の正倉院』という藤原新也の写真展をやっている。先月、日本野鳥の会の「トリーノ」というビジュアルフリーマガジンのアンケートのプレゼントで招待券が当たったので行ってきた。

藤原さんは「トリーノ」で毎号写真と文を連載して、読むのを楽しみにしているのだが、沖ノ島で写真を撮っていたことは知らなかった。ちょうどタイミングよく?世界遺産に登録された。前に『宗像大社 国宝展』を出光美術館で見たことがある。その時には実際の国宝の展示を見てきたのだが、今回は写真で見る沖ノ島である。

沖ノ島は女人禁制であるが、先日の世界遺産の登録の後で、今年まで一年に一度の大祭では一般人200人の入山が許されていたが、来年からはそれも禁止となったという。藤原さんのように記録のためとか調査とか特別な理由がある人にはまだ行かれるチャンスはあるのかもしれないが、これからはこうした写真や映像のみが見られる世界遺産である。

藤原さんが会場の映像で沖ノ島は何世紀にもわたって人の立ち入りを制限し、情報も遮断された場所であり、現代の人びとの頭の中のつぶやきもネットで拡散される世界とは対極にあると言っていた。

会場は写真オーケーということで、それをSNSで拡散してしまうということは、その対極の沖ノ島の秘密を明らかにするということは、どういうことか。

会場の中でも一番スケールの大きい写真6枚の写真をつなげた誰も足を踏み入れたことのないという本殿裏の森の写真がある。禁足の杜だというのにまるで庭師によってつくられた庭のように感じたという。

その写真を前にしてその秘密を人の踏み入れない世界を感じてみる。

沖ノ島沖津宮に祀られているのは宗像三女神田心姫神(たごりひめのかみ)。宗像大社神職が十日交代で常駐し、一日も欠かすことなく国家安寧の祈りがささげられている。波の荒い玄界灘で、荒天が続くと3週間交替できずに一人で滞在することもあるという。世界遺産に登録されなくても国民たちは知らなくても、ずっと続いてきて、これからも人の出入りを極力拒否し続けて、どこまで続いていくのだろうか。一般の人々はそれをネットで拡散していく。島の本当のその御神体を感じることのないまま。

藤原氏がその女神の姿を想像し、ためらいながらも写真に撮った。雨と風が続き、撮影が難航し、最後の日の夕刻の一瞬。藤原氏の感じた御神体がその姿を現した一瞬である。

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plumarrri.hatenadiary.com

 

今月の初めに羽田の神社に行った時、足元に蟻を見つけた伯母が「ひゃあ、蟻!」というなり足でバンバンと踏み潰そうとしているので、「いや、ここは神社だから・・殺生するのはちょっと・・」と言って止めたが、テレビで散々ヒアリは猛毒とやっていたのを見てすっかり蟻恐怖症になってしまっている。その後で100人死んだのはアレルギー反応のせいで蟻の猛毒ではないということのようで、またその論文があるのかその根拠がよくわからないのか、散々恐怖を煽ったあとで環境省のパンフレットからその部分が削除されたとかで、文は削除されても人の記憶は訂正されず、どんな蟻でも見れば殺せと思い込んだ人たちがいる。ホームセンターの蟻駆除の薬剤もかなり売れたようだし、蟻にとっては人間の方がよっぽど恐怖だろう。

一方で葉っぱも石も人間が踏むことのない世界があり、人間が踏みつけて平気な世界がある。世界は同時に存在している。

ツバメが巣立っていった

巣立っていくのは、ほんの一瞬のこと。そのタイミングに出会えるのも奇跡のようでもある。

 朝、ゴミを出して家の周りに水をまきながら裏へ回ってみると、まだツバメのヒナ2羽が昨日のままの状態で巣にいた。親鳥が飛んでくるときは口を大きく開けて、盛んにジージーと啼くのに、人間が下から見上げてもシーンとして口もキッと結んだまま。夜の間は親鳥は来ないようで、ずっと雛だけで待っているのだろうか。戻りかけた時に、親鳥が飛んできて、駐車場の中をクルッと回って飛んでいく。餌をあげている様子ではなく、雛の鳴き方も餌をもらうときのジージーという鳴き声ではなく、ピーピーと違うように聞こえる。さあ、飛びなさいという親の声と、子供達の準備ができたという会話なのだろうか。少し離れて見ていたら、ついに1羽が飛び立った。昨日巣立った1羽のようにしたにすぐ降りて留まるのではなく、2周くらい道路の上を回って高く上がり隣の屋根の上まで一気に飛んで行った。2羽の親鳥も一緒になって飛んでいる。1日遅かった分、昨日よりも成長したのだろうか。昨日に比べると最初からずいぶん上手に飛んでいて、感心して見ていた。

 最後の1羽も少しして飛び立った。同じようにすぐさま上に飛ぶことができ、先ほどの雛のいるところまで飛んで行った。

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姿はまだ雛で体もずいぶん震えているように見える。部屋に戻ってから見ると3羽になっていて、親鳥は飛んでいるところで姿から、昨日巣立った1羽が入ったところのようだった。3羽の兄弟がそろって10分くらいこうしていただろうか。親鳥が旋回しながら向かい側のベランダから見ている私のすぐ近くを横切った。いつもそんなに近くまで来たことがないので、最後の挨拶をしてくれているように感じた。

 そして一斉に飛んで行ってしまった。

出かける前の慌ただしい朝の時間。ツバメの巣立ちに出会った特別な日になった。

 

 ブログを書いていて時々鳥や植物のことを書いているのに、自分の生活にリンクしていると感じることがある。シンクロニシティというのだろうか。毎年ツバメが訪れて雛のかえる巣もあるが、表に比べると人通りのない場所で、10年くらい前にカラスに雛が襲われて少し壊れかけているような巣に今年ツバメが帰ってきたこと。そして今回は生まれた数は少なかったかもしれないが、みんな無事に巣立ったこと。それはとても意味があることのようにも思えるのだ。

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